



ポリプロピレン・ポリエチレンの接着方法は?接着剤がつきにくい理由やおすすめのプライマーも紹介

おもちゃや容器、トレイなど、ポリプロピレンやポリエチレンの製品が壊れたら、接着剤で修理しようとする人が多いはずです。しかし、ポリプロピレン・ポリエチレンは一般的な接着剤ではくっつきません。修理するには特別な接着剤やプライマーを使う必要があります。
今回はポリプロピレン・ポリエチレンの接着方法について、接着剤がつきにくい理由も含めて詳しく解説します。プラスチックのなかでもポリプロピレン・ポリエチレンの製品を修理したい人は、以下の内容をぜひお試しください。
1.ポリプロピレン・ポリエチレンは接着剤がつきにくい
1-1.瞬間接着剤がPE・PPにあまりつかない理由
1-2.ポリプロピレンやポリエチレンを接着する方法・原理
1-3.ポリプロピレンやポリエチレンが使われているモノの例
1-4.つきにくい素材は「品質表示」で見分けよう!
2.ポリプロピレン・ポリエチレンの接着には「アロンアルフア プラスチック用」!
2-1.付属のプライマーがPP・PEの接着を可能に
2-2.「アロンアルフア プラスチック用」でのPP・PEの接着方法
2-3.両面テープやグルーガンでもPP・PEを接着できる
3.ポリエチレンフォームやポリカーボネートの接着方法
4.まとめ
ポリプロピレン・ポリエチレンは接着剤がつきにくい

プラスチックの中でも、ポリプロピレンとポリエチレンはとりわけ接着が難しい素材です。一般の瞬間接着剤や木工用接着剤では、どれだけ強力なものでも、まず接着できません。
ポリプロピレンやポリエチレンを接着するには、専用に開発された接着剤を使う必要があります。
瞬間接着剤がつきにくい理由
なぜアロンアルフアなどの瞬間接着剤がポリプロピレンやポリエチレンにつかないかというと、それらが「ぬれにくい」からです。液体がなじまない性質があるため、瞬間接着剤をつけてもはっ水加工のようにはじかれてしまうのです。
一方、例えば、木材や革や金属などは、一般的に接着剤の液となじみやすく「ぬれやすい」ので接着剤をはじいてしまうことはなく、強力な接着が可能です。
ポリプロピレンやポリエチレンを接着する方法・原理理
ポリプロピレンやポリエチレンを接着するには、表面に加工を施し、接着剤がなじむようにする必要があります。代表的かつ簡単な方法は、「プライマー」と呼ばれる表面処理剤を塗ってから、接着剤をつけることです。
家庭で手軽に作業するには、後述するプライマー付きの「アロンアルフア プラスチック用」をおすすめします。
ポリプロピレンやポリエチレンが使われているモノの例
ポリプロピレン・ポリエチレンともに、安価で量産できる素材なので、以下のように身の回りのさまざまなものに用いられています。
<ポリプロピレン・ポリエチレンが使われているもの>
おもちゃ、食品容器、ゴミ箱、バケツ、コップ、電子レンジのトレイ、DVDのケース、家電製品の部品、注射器、灯油ポリタンク、シャンプーの容器、パイプ、農業用フィルム(ビニールハウス)、スーパーの袋など
ちなみに、本体がポリプロピレンで、ふたがポリエチレンの食品容器など、両方の素材を使った商品も販売されています。
つきにくい素材は「品質表示」で見分けよう!
前提として「アロンアルフア プラスチック用」は、ポリプロピレン・ポリエチレンに限らず、大半のプラスチックを接着できます。そのため、アロンアルフア プラスチック用を使う場合は、わざわざ素材を見分けなくても問題ありません。
さて、接着したいものの素材がつきにくいかどうかは、パッケージの「品質表示」で確かめられます。例えば、おもちゃであれば、「材料/本体:ポリスチレン(PS)、付属品:ポリエチレン(PE)」などと書かれているはずです。
なお、素材名ではなく略号で表記される場合もあるので、代表的なプラスチックについては略号を覚えておくと役に立ちます。具体的には、以下の表にある略号を押さえておくと良いでしょう。
<代表的なプラスチックの略号>
略号 | 素材名 |
PE | ポリエチレン |
PP | ポリプロピレン |
PET | PET樹脂(ペットボトルなど) |
PA | ポリアミド、ナイロン |
PC | ポリカーボネート |
PS | ポリスチレン |
PVC | 塩化ビニール |
PMMA | アクリル樹脂 |
パッケージを捨ててしまった場合は、インターネットで調べてみてください。調べてもわからない場合は、素材の違いを考慮せず、「アロンアルフア プラスチック用」を使うのがおすすめです。アロンアルフア プラスチック用なら、ポリプロピレンでもポリエチレンでも、またはその他のプラスチックでも、基本的にくっつけられます。
ポリプロピレン・ポリエチレンの接着には「アロンアルフア プラスチック用」!
ポリプロピレン・ポリエチレンの接着には、プライマー付きの「アロンアルフア プラスチック用」が最適です。この商品だけで表面処理も接着も可能であり、手軽にプラスチック製品を修理できます。とくにポリプロピレン・ポリエチレンで作られていることが多いおもちゃの修理で大活躍するでしょう。
またアロンアルフア プラスチック用は、ポリプロピレン・ポリエチレン以外のプラスチックや金属、合成ゴムにも利用できます。そのため、日用品の修理のほか、ハンドメイドやデコレーションなど、さまざまな用途に便利です。
付属のプライマーが接着を可能に
「アロンアルフア プラスチック用」には、プライマーという特殊な液がついています。このプライマーを塗って表面を加工することにより、ポリプロピレンやポリエチレンの強力な接着が可能になります。
付属のプライマーには塗布に使う綿棒がついており、作業がしやすいこともうれしいポイントです。

ちなみにアロンアルフア プラスチック用に付属のプライマーを併用すれば、「アロンアルフア EXTRAゼリー状」などのほかのアロンアルフアでも接着できます。
「アロンアルフア プラスチック用」での接着方法
ポリプロピレンやポリエチレンの接着に「アロンアルフア プラスチック用」を使う場合は、以下の方法で行います。
<接着方法>
1. 接着面を布などで拭き、接着面の汚れを落とす
2. 付属のプライマーを接着したい両面に塗り、5〜10分放置する
3. 瞬間接着剤を片面に少量滴下し、塗り広げずにすばやく貼り合わせる
4. しばらく押さえれば接着完了
ポイントは、付属のプライマーを接着したい両面に塗ってから5〜10分待つことです。プライマーが完全に乾燥する前に瞬間接着剤を塗るとうまく接着できない恐れがあるのでご注意ください。またプライマーが完全に乾燥してから長時間経過しても、かえってプライマー効果が低下するため、5〜10分が最適です。
なお、接着面の片方が、アロンアルフアで接着しやすいプラスチック以外の素材(金属、ゴム、木材、陶器など)なら、そちらの面にはプライマー塗布は不要です。
両面テープやグルーガンでも接着できる
ポリプロピレンやポリエチレン専用の強力な両面テープでも接着できます。接着したい範囲が広い場合などは、両面テープが便利かもしれません。一方、緻密な作業を要するときは「アロンアルフア プラスチック用」のほうが向いています。
またグルースティックの素材にもよりますが、グルーガンでも接着できる場合があります。しかし、接着力は強くないため、仮止めに使うのが良いでしょう。手元になく、新しく購入するなら、性能面で、グルーガンよりアロンアルフア プラスチック用がおすすめです。
ポリエチレンフォームやポリカーボネートの接着方法

日用品やおもちゃなどには、ポリエチレンフォームやポリカーボネートもよく用いられます。ここではそれらの接着方法についても確認しておきましょう。
まずポリエチレンフォームは「アロンアルフア プラスチック用」を使って強力に接着できます。例えば、コスプレで使われるCOSボードを加工する際などにおすすめです。

ポリカーボネートについては、プライマーなしでも瞬間接着剤が使えます。「アロンアルフア EXTRAゼリー状」や「アロンアルフア EXTRA速効多用途」などをご利用ください。
ただし、一部、製品によってはプラスチックがひび割れたり、溶けたりといったことも考えられるため、目立たないところに試し塗りしてから使うのが良いでしょう。
まとめ
ポリプロピレンおよびポリエチレンの接着には、プライマー液がついた「アロンアルフア プラスチック用」が一番便利です。ポリプロピレン・ポリエチレン以外のプラスチック製品にもたいてい使えるため、一家に一つ持っておくと良いでしょう。
ポリプロピレンとポリエチレンは、安価で加工しやすい分、身の回りのものにたくさん用いられていますが、壊れることも多いです。容器やおもちゃなどが壊れたときにその都度買い直すのも良いですが、自分で修理するほうが経済的かつエコだといえます。
アロンアルフア プラスチック用を使えば、たいていのプラスチック製品なら強力に接着できるので、節約のためにもぜひ修理にチャレンジしてみてください。



